11/30練習風景


わだち初の本番から1週間、既に次のステージの予定がいくつかあります。それらに向けて更に作品の完成度を高めるべく、今回は改めて発声練習をしっかりした上で、その延長としてよりアンサンブルを確実なものにするための、指揮に合わせる練習(アゴーギク・ディナーミク)・ポリフォニーの練習をしました。

現在歌う作品は、髙岡が当団用に編曲したポリフォニー形式の二重唱の楽譜を使っています。ポリフォニーとは、独立した複数の旋律で構成された多声部演奏形式を指します。輪唱などはその解りやすい例でしょうか。対してホモフォニーとは、主旋律に対して和音を作るように従旋律がある多声部演奏形式です。所謂『ハモリ』がこれに当たります。何故ポリフォニーに拘るかというと、単純に言えば「全員を主役にしたいから」です。合唱というと多くはソプラノがメロディを歌い、他はハモリで何だかよく判らない旋律を始終歌っているだけで、途中から面白くなくなってしまうという事がよくあります。

実は主旋律以外の声部(内声)の動きというのはアンサンブルの醍醐味であり、ハマっていくとそれこそ『オイシイ』部分でもあるのですが、アンサンブル初心者や知らない曲などはメロディ以外の音程が取りにくく、つまらなく感じることが多いものです。髙岡の編曲は、第2旋律が途中から主旋律に変わったり、違うタイミングで主旋律を歌ったり、副旋律ながら主旋律の上で和声を構成したりと、最初は難しく感じるかも知れませんが、主役脇役が交代するドキドキワクワク感を演奏者も聴く側も感じて欲しいとの思いを込めて編曲しています。

今日は、前回舞台で披露した曲の中から『朧月夜』と『もみぢ』の第2旋律を練習してもらいました。一般的に歌われている二重唱と旋律が異なるので、思い込んでしまっている記憶の旋律に何度か引っ掛かってしまう事もありました。

音迷子にならないポイントとしては、

 ①自分の記憶ではなく、楽譜を読む
 ②髙岡のガイドに沿って歌う(正しい旋律をよく聴く
 ③自分の歌っている音を頼りに次の音を想像する

この3点をクリアしながら、他者に頼らず自分の音を出せるように練習してみましょう。練習用音源も作っていきたいと思いますので、是非活用してください。

他の曲も、次の本番では是非ともみんなでアンサンブルが出来るように、今後しっかり訓練していきたいと思います。

11/30 指導:髙岡 康平


わだち

わだちとは、輪・達:車椅子の仲間 わだちとは、和・立:童謡・唱歌など、日本の音楽を大切にする わだちとは、和・達:和声・和音の集合体 わだちとは、我・立:演者と聴衆が一緒になって演奏会を創る わだちとは、轍:われわれが造る新しいスタイルの軌跡 それが、わだち。